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目標達成出来ない本当の理由


幼児期から現在まで、人は実に沢山の出来事を体験してきた。
あなたもきっとその一人だと思います。


思い返して見れば、そこには辛かったこと、苦しかったこと、
そして苦い思い、感動したこと、心から楽しんだこと、幸せだった事…。
その人生体験にはそれぞれ心に刻まれたストーリーが有ったと思います。

それらのストーリーの一つ一つの積み重ねが、あなたの自分への思い、
つまり「私は○○という人間だ」という、あなた自身への固定観念を
作りあげてきました。


こういう自分自身への固定観念を自覚出来ているのは
自己認識をしているあなたの「知性」がさせています。


発達心理学の世界的な権威であるハーバード大学院での
ロバート・キーガン博士グループによる長年の研究によると、
人の知性には大きく分けると3つのグループに別けられるといいます。


紙面の都合で詳細はここでは避けますが、最も多い割合に属する人は、
環境に影響されやすい「環境順応型」と言われる知性を持つ人々です。


このタイプの知性を持つ人が恐れるのは、周囲の人たちの意向に反したり、
信用を失ったりすること。そして集団から排除されて自分の立場や
価値観、考え方を尊重されなくなること。


多くはリーダー的な立場の人に準じ、状況を左右する周りの人達の
価値観や期待の支配下にあります。


他人の評価をそのまま自分自身の評価の軸として考えているので、
どうしても周囲の人たちの考えや言葉、思い等の評価を悪くすることを
とても恐れます。


これに対して二番目にその割合が多いのは、「自己主導型」といわれる
知性を持った人です。


このタイプの人は、ある自分が良いと考える目標を掲げ、
そこに向かって一生懸命に実現しようと努力することを良しとする
考えを持っています。


自分の考えと他人の考えを常に区別し、他の人の意見を一つの「道具」
として位置付けし、それを取り入れる場合はどれをどの程度取り入れる
かを自分自身で決定していきます。他人の意見を無条件に取り入れる
ことは絶対にせず、自分の価値観から外れた意見や考えは、それが
どんなに客観的に見て必要なことでも、決して取り入れることはしません。


そしてこのタイプの人は、その掲げた目標の方向性が正しければ
良いのですが、万が一間違っていた場合、結果は悲惨なものになります。
このタイプのステージにいる人の多くは、自分の掲げている世界が
客観的に「何が不足しているのか」という視点で捉えられず、
自分と価値観の違う人の考えや意見を、方向性の修正や改善に取り込む
ことをとても苦手としています。


つまり、元々人が生み出すものに「完全な世界など無い」、
「何処かが未熟な状態になっているはず」という認識が乏しく、
「常にいろんな価値観の人々から補完する必要がある」という考えに
至っていないことが多い。


三番目の知性に関しては、少々話が長くなりますので、
またの機会があるときにでも触れたいと思います。


この一番目の「環境順応型」と二番目の「自己主導型」といわれる人、
あなたの周りにもいませんか?ちょっと想像してみてください。


この二つのタイプを合計すると、なんとほぼ99%になるんです。
一番目の「環境順応型」は約57%、二番目の「自己主導型」約42%。


残りの1%の人は「自己変容型」といわれている知性を持った人で、
要は、物凄い高度な知性と精神性を持った超人格者です。


世界的な規模の会社のトップを長年続けている数少ない人や、
ガンジーやマザーテレサ級の精神性を持った人達と考えれば
イメージし易いと思います。


ここでは、三番目のタイプの人はほとんどいないと思いますので、
一番目の「環境順応型」と二番目の「自己主導型」の人に向けて、
「目標実現が何故上手くいかないのか」について話を進めようと思います。


「目標実現」を妨げる本当の原因


私も何度も身に覚えがあるのですが、人は人生の中である種の
「改善目標」を設定しては挫折を繰り返す経験が少なからず
あると思います。


「今度こそこうしよう」、「絶対に今度は達成するぞ!」と、
その時は気持ちもメラメラと炎が内側に燃え盛っていますが、
直に小さなしょぼい燃え方の種火のようになってしまう。


あるアメリカの病院での実験では、心臓に深刻な状況を抱える患者達に
対し、「今のままの生活状況では、命が長くは持ちませんよ」と
医者に強く忠告され、タバコやアルコールを摂取することを正すよう
言われたのに、その患者たちのほとんどが生活パターンを改革する
ことが出来なかったデーターがあります。


では彼らが本当に自分の命を長く伸ばしたいと考えていなかったのか
というと、決してそうでは有りませんでした。みんな真剣に医者の
言うことを必死の思いで守ろうと努力したのです。


それでも出来なかったのはどうしてだと思いますか?


キーガン博士によると、人が目標をなかなか上手く実現出来ないのは、
実は人が無意識に「裏の目標」を抱え込んでしまっているからだ、
といいます。


例えばあなたがある目標を実現させようと紙にそれを書いて、
毎日、目に見えるところ、壁やトイレ、手帳の表紙の裏、
PCの待ち受け画面等にセッティングしたとします。


具体的には「10KGのダイエットを3ヶ月で達成する!」とします。
でもこれは実は「表の目標」なんです。


そしてその「表の目標」を何とか実現させようと、あなたは必死で
毎日、それまで大好きだった焼肉やケーキバイキングを控え、
野菜中心の低カロリー食や腹筋運動、一日3キロのウォーキングを
雨の日も風の日も頑張って続けます。


やがて、あなたに悪魔のささやきが聞こえて来ます。
「そんなに痩せてどうするの?また直ぐにリバウンドするんだから
苦しく無駄なことはやめて、毎日美味しいものを食べて幸せに過ごそうよ。」


「そうだよな…。やっぱりこんな苦しい減量生活なんて無理!」


そう…。これが「阻害行動」というものなんです。
人は「表の目標」を掲げると、必ずその実現を妨げようとする
「阻害行動」を起こすようになっているんです。


そして、この「阻害行動」は「裏の目標」と密接に関係を深め合っている。

しかし、心理の深いところに潜んでいる「裏の目標」を
はっきりと表面化し、理論的にも心や感情的にもこの「裏の目標」を
きっちりと自覚しておかないと、「表の目標」は絶対に実現していかない。


つまり、「表の目標」はアクセルの役割であり、「裏の目標」は
ブレーキなんです。そして、目標を実現出来ない多くの人は、
このアクセルとブレーキを同時に踏んでいる状態にある。


「前に進みたい!んだけれど、何故か進めない!」
というような、「矛盾状態」をずっと続けている。


キーガン博士によると、どうやら、多くの人はこの状態のようです。


だから、あなたが例え目標をなかなか上手く実現できなかったとしても、
「私はなんて意志が弱いダメ人間なんだろう…」などと悲観しなくても
大丈夫なんです。これが当たり前で「普通」の状態なんですから。




さて、例え「表の目標」は同じでも、「裏の目標」は人によって異なります。
ある人は「裏の目標」は、「ダイエット食材費はお金がかかりすぎる」
という理由かもしれない。また別の人は「若い頃スタイルが良くな
った時、体だけを目的で寄ってくる男が多く、あんな気持ちを二度と
味わいたくない…。」という理由があるかもしれない。


この「裏の目標」を表面化し、はっきりと自覚することは、
「表の目標」を実現させることを阻む「阻害行動」の理由も
理解出来るようになれます。


では私たちは何故このような実現させたい目標を妨げる
「阻害行動」や「裏の目標」を作ってしまうんでしょうか。


それは私たちが自分自身に対して「私は○○という人間だ」という、
「フィルター」を通して、さまざまな考え方や価値観を固めてしまう
為だとキーガン博士は言います。


例えば一番目の「環境順応型知性」のステージに生きている人には、
そのステージなりのフィルターがあり、その世界を通して
物事や世の中を見ています。そこにさらに個人個人のフィルターが
加わり、「阻害行動」や「裏の目標」を設定しています。


自分には「何が認識出来ていて」、「何が認識出来ていないのか」。
これを客観的に捉える必要があるんです。


そうしなければ「阻害行動」や「裏の目標」のからくりを解く手段も
その具体的な実現方法も体感として分からないまま、実感の無いままの
「表の目標」を何度も繰り返すだけになってしまうんです。


だから一向に目標実現なんて出来ない。
こういう状態になっているのに、技術テクニックを学ぼうとするだけ
だから、効果なんて出るはずが無い。


自分自身の「何が認識出来ていて」、「何が認識出来ていないのか」の
認知をしなければならないのに、それを放っておいて、
自覚の無いままに、そのままの状態で「テクニック」を学んでも、
心の働きは「誤った指令」、「誤作動」を起こしている状態になった
ままですから、上手く行く訳が有りません。


この話には続きがあります。


「阻害行動」や「裏の目標」を起こすにはある”からくり”が有ります。
それは私たちの自分を守ろうとする、「ある心理的な機能」です。


…と、話はまだまだどんどん展開したいところですが、
今日はまた少々長くなり過ぎてしまったので、
ボツボツと、先ずはここで区切らせていただこうと思います。


さて、どのようにしたら「阻害行動」や「裏の目標」をはっきりと
浮き彫りに出来るのか。


そしてこれらの自己防衛機能の“からくり”とは何なのか…。


もっと知りたいという勉強熱心な方は
どうぞこちらから続きの話をどうぞ…。

負のスパイラルリンクを次々生み出す「誤作動システム」?

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