相手の心をグッとつかむトークアプローチ


相手の心を開かせるには、技術が必要。心を最初にグッと掴む、効果的なアプローチ手順とは…?



ある大学で、英語を教えている先生から、こんなメッセージを頂いた。

「相手の心を最初に掴む話し方はどのようにしたら良いのでしょうか…?」


大学の先生は、良く考えてみると、日々の仕事が「プレゼン」の繰り返しです。


会社でのプレゼンとは異なり、相手が学生ではあるけれど、人間が人間にアプローチする事に何等変わりはない。


研究者や頭の良い人間が良く勘違いするのが、自分の都合で、そのままアプローチしてしまうこと。


話す言葉、使う言葉、話のテンポ、トーン…。表情、話をするときの目線…。


和久自身の体験からすると、なぜこんな退屈さを相手に感じさせるアプローチをいつも平気で続けられるんだろう…と、考えさせられてしまうことが少なくなかった。


敢えて、難解な言葉,専門用語を使うことが、自分の研究世界や自分自身のステータスや価値を相手に印象付けるのではないかと、勘違いしている気がした。全く持って「大きな勘違い」である。


物事を伝える最も重要な根源は、「相手に深く理解させる」ということ。


それが一番大切なこと。そう考えています。


相手に合わせて伝える内容をアレンジ出来なければ自己満足そのもの。一人よがりになってしまう。教育の現場は、伝えるものに「愛」が充満していなければならない。特に、”弱者”に対しては。愛がないから、相手の理解度を無視出来る。難解な言葉も平気で使える。愛の無い難解な言葉なんて、無機質でまるで冷たい金属のようだ。そんなものが相手に入っていく訳が無い。


言葉は、それが例え母国語で話していたとしても、相手の価値感や理解能力を観察しながら、自分の吐き出す言葉がきちんと伝わっているか、心に浸透しているかどうかを読み取る必要がある。相手の表情が豊かなら、伝わっている。無表情ならその逆だ。その場合は例え言葉としては母国語であっても、相手のレベル、価値感に合わせて「翻訳」する必要がある。



人気のある先生は、講義の本題に入る前に、その講義への関連する話題を、自分の日常生活の出来ごととリンクして、聞き手の耳を開けるテクニックを使っていた。

落語でいえば「枕ことば」という技術に相当するかもしれない。

これも一つの方法ですよね。最近の日常生活での体験とは、食、人間関係、TV番組、ニュース等、多分、話題には事欠かない。

常に配慮すべき重要なことは「この人の話は難しすぎるなあ…」と
相手が理解するのは難しいと反応している場合だ。相手の表情が硬ければ、大体そうだ。


自分自身がこの程度は簡単な内容だから、相手にも分かるだろうと考えていても、相手の目が死んでいたら、相手の態度が冷めていたら、そのアプローチは「一人よがり」で、完全に「スベっている」。


逆にいえば、伝える側の立場で考えると、ある程度、高度な知識を持つ者が、伝える際に最も楽なのは、【難解な言葉(専門用語等)、専門的高度な内容をそっくりそのまま伝える。】


これは、伝える相手が同じような次元にある人には何等問題は無い。


しかし、こちら(伝える側)より、明らかにその専門的知識、情報への理解が浅い相手の場合、「外国人への翻訳」と同じ感覚で使う言葉や伝えるべき情報の順番を考える必要がある。


でないと、相手は全くこちらの「知っておくととてもオイシイ」内容の意図を理解してくれないばかりか、下手をすると、「不親切極まりないあなた」へ、心理的なアレルギーを起こし、あなただけではなく、伝えているその世界に対しても、相手にとっては不快な世界として心を閉ざされるかもしれない。


最も難しいのは【難しい内容を分かりやすくシンプルに伝える】


こうして言葉ではさらっと簡単に書けるが、いざやってみると分かるが、これはとても難しい。

相手の研究…、伝える情報の「翻訳」…、話す順番等、全体のプロデュース構築…等々、相手の目には見えない多くの準備が必要になる。


一番、人間が聞く耳を持ってくれるのは何だろうか…?ちょっと考えてみて欲しい。

今までのあなたの人生で、あなたの話に体を乗り出して聞く耳を持ってくれたときの話題は何だったのか。

「人の不幸話」「有名人のゴシップ」「一攫千金の怪しい話」…。人が面白がる話はいろいろあるが、こんなものは何の役にも立ちやしないので、ここでは触れないが、年齢性別問わず、相手が最も関心を持ってくれる話題があるとしたら、
それは何だと思いますか…?



それは…



相手のフラストレーションや苦痛を取り除いてあげる「鍵」について、ひも解いてあげることです。

話題を順番にステップ化し、分かり易い言葉を選び、相手の頭に臨場感がたっぷりとイメージしてもらえるように、具体事例、現場での状況、擬似音、声色、色や香りの表現等を出しながら説明してあげると、最高に効力を発揮します。


例えば…、
「あなたは今○○について解決したいと考えているようだけど、それについては、次のように3つの手順を踏んで実践してみてごらん。びっくりするほど短期間でその効果が実感出来るよ…。先ず第一ステップは…。」


これは、通販番組等で多く取り入れられている、人の心理に自動的に「反応」スイッチが入ってしまうアプローチでもあります。


相手が学生ならば、学生の悩み、最も苦労していることは何なのかを考えてみると、自ずと答えは出ると思います。


専門職にある「先生」が良く陥る「ワナ」は、高揚の全く無いつまらない一本調子の話のトーンを延々と続け、その内容も、難解な言葉を羅列し続けるという暴挙を、日々当たり前のように繰り返す。


これは、「おい、私の講義はつまらないだろう?眠くなったら寝てもいいよ」と言っているのと同じです。


もし、会社で社内やクライアントに対し、こんなプレゼンをしていたなら、たちまち、非難ごうごう、売り上げは激減するに違いない。


プレゼンを日々行う仕事の立場ならば、それでサラリーを頂く立場であるならば、それはプレゼンテーターとしての、「プロ」の自覚を持たなければならないと、WAKUは考えるのです。


「複雑・難解」を如何に相手に分かりやすく「シンプル化」させるか。


プレゼンの極意はこれにあると感じます。


相手の最もニーズの高いキーワードを、エッセンスをしっかりと「凝縮させたシンプルキーワード」で提示する。


相手を最初にグッと掴むコツはこれです。



そのためには、相手のことをしっかり研究し、相手が何にフラストレーションを感じているのか、どんな痛みを持っているのか、その心中にある緊急性ある苦痛は何なのか、それを察知し、その問題を好転させるカギを提示するのです。


人間が興味を示す代表的なキーワードがいくつかあります。

・お金、地位、名誉に関する事
・恋愛、異性、SEXに関する事
・美容、若返り、健康に関する事
・心理コントロールに関する事

・人間関係
・時間管理
・知的情報を学ぶ満足感
・生きがい



これらキーワードに関して、どれか一つを選び、相手との話題にうまく織り込むと、より一層相手の心理的関心度が高まります。


まとめると、
・シンプルに
・相手の関心のあるキーワードを使う
です。



本当は、相手の関心を引く為の「話を展開させる順番法則」が存在していますが、話が長くなるので、詳しくはまた次の機会に譲ることにしますが、ついでなので、ざっと、かい摘んでご紹介しておきます。


話す順番はだいたい次の4つのカテゴリーを意識し、順番に話を展開すると興味を持ってくれやすくなります。


1,相手が抱える問題、案件の掘り起こし(最近何か困っているんじゃないの?少し表情に陰りがあるよね…。もし良かったら相談に乗るよ。)

2,改善、解決アプローチ(…それは根本的に◯◯に取り組むと、順番に解決していくよ。具体的には3つのステップを取り入れると効果的。或いは、◯◯の先生の書いた書籍を読むと参考になるよ。丁度、今持っているから暫く貸してあげるよ。)

3,根拠(この◯◯を取り入れることで、こんな改善効果が数字データーがアガっているんだ。3ヶ月もやれば、きっとあなたもそうなるよ。)

4,具体的な行動方法(申し込むには◯◯のサイト検索をすると、申し込みページが確認出来るよ。金額は◯◯円。)


この流れは、もともと米国で生まれたダイレクトレスポンスという古典的な手法だけれど、もう100年も経過していても、今だに通販等でも使われている。人間の心理反応を研究した内容なので、100年経過してもさほど効果は変わること無く今だに継承されている。ビジネスの場面で使われてはいるものの、応用すれば充分に効果的です。

(しかし、実際にはもっと細かいステップに分かれている。今回は省略)


そしてもう一つ、ご質問を頂きました。

「どういう書籍を読めば、こういうこと(心の立て直しの実践術)を勉強出来るのですか」


残念ながら、実際に役立つ内容を体系立てて分かりやすく詳細に書かれている、お勧め出来る良書は残念ながらまだあまり見たことがありません。


コーチングや心理学での世界だけで解決出来るものとは異なるからです。
コーチングが流行っていますが、これらはあくまでもツール(道具)に過ぎません。コーチングだけで全てを解決させようとしても、それは無理があります。


現実の世界で問題を解決するには、「人間を学ぶ世界」と「テクノロジーの世界」の両方を融合させてアプローチさせる必要があると思うのです。


文系、スピリチュアルやメンタルの世界に興味を持つ人達は、「人間を学ぶ世界」に偏る傾向があるし、技術系、理科系、数学系、プログラマー達は「テクノロジーの世界」に偏りがちです。


多分これは、これまでの教育の流れからしたら、ある意味仕方ないかも知れないですが、実際の現場では、どちらかに偏ると、殆んどの問題が解決困難になっていく。例えば「精神や人間の世界」ばかりをさわっていても、実際のアプローチには、例えば先程の話す順番とか、情報発信からのアプローチでも、その手段はテクノロジーの技術を学ぶ必要があります。


「テクノロジー」ばかり研究している人は人間嫌いや、人との対面が苦手だったり…。だから教育システムの課題でもあると感じます。あとは個人で両方の要素少しでも融合できるように、「立体的に」学んでいくしかない。「点」や「線」、「平面」での狭い世界観だけでは、現実的な効果は低くなりやすいのです。


体験からすると、一つの気になるキーワードが見つかったら、そのキーワードに関する書籍をいくつか選んで、なるべく複眼視点で、そのキーワードが持つ世界を捉えつつ、納得行くまで掘り下げてみる。ということでしょうか…。



和久も多くの情報やセミナー、本を読み漁り、それらの中で少しずつ納得出来る内容を積み上げ、構築してきました。


(それにしても最近のカラフルなカラーの新刊本を読んでも、その過激なタイトルとは程遠い中身の薄いものも少なくなく、重要なことはそれほど記載されていないのが現状です。特にコピーライターが意図的に煽ったキャッチーなものには
良書が少ないように感じます。)

参考にしていただければ幸いです。

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