嫌な気持ちを消去する技術

・Blog TOP / ・セルフメソッド /

020619-1214-602_1.jpg

「煩悩(ぼんのう)」という言葉があります。

これは仏教の教えにある言葉で、おおまかに言えば
人間の欲望と理解すれば良いと思います。

つまり、人間の心身の働きを時として悪い方向に導き、
私達の安息を脅かし、心の状態をかき乱す。

少し次元を上昇して表現すれば、「意識の成長」や、
「知恵」を妨げる心の働きのことです。

これから、話を進めて行くのは、このような「煩悩」を
どのように減らしたら良いのか…。というような内容では
有りません。

煩悩があるから、つまらない感情に振り回されたり、
苦悩したりするのは事実ですが、そんな事よりも私達が
今見ているこの世界をどのように捉え、観ているのか。
という話です。

あなたも既にご存知のように、仏教はお釈迦様が開かれた
教えです。お釈迦様はおおよそ2500年も前に、煩悩を持つ
「人間は、実は有りのままの事実や現実の世界をそのまま観ている
訳ではないのだよ」ということをいわれていました。

「人間は煩悩という我欲に満ちた自我欲望の視点から、
物事を観ているのであって、生の状態でものごとをそのまま
正しく捉えている訳ではありませんよ」といわれていたのです。

人間が煩悩の目で世界を見ているということは、
表現を変えれば、その人の知識がその世界をそのように見ている
ということでもあります。

もともと、人は重要度の高いものしか認識しようとしません。
つまりその人の知識が、物事の重要度を決め、目の前の世界は
その人が重要だと感じるもので成り立っていると言えます。

あなたが感じる「嫌な感情」は、時として人間関係であったり、
経済的な事情や、健康の事等、様々なジャンルがそこに
あるでしょうが、これらもまた、あなたの中にこれまでの
人生で積み上げてきた経験値、知識の質と量の世界からみた、
価値感でそのように感じるといえます。

そしてそこには、その嫌とか心地良いという尺度を選択している
ある「モノサシ」があるはずです。

「嫌な感情」が多ければ多いほど、この「モノサシ」。つまり、
「あなたの重要度を高めているものが多過ぎる」ということです。

例えば、その最たるものに、「他人との比較」とか、
「カネを稼げない人間は人としてダメ人間だ」とか、
「出世が出来ない人間は人として能力が劣る奴」だ、
というものがあります。

また現代人の特徴は、人間関係においても、
互いに干渉することを好まない「希薄な人間関係を好む」
傾向が有りますので、ある意味、現在の通信環境を考えると、
”自分のテリトリーゾーン”が広くなりがちです。

そのくせ、自分の生き方を明確に持っていない人も多いため、
そのテリトリーを区切る壁がファジーな感覚なのです。

いつの間にか他人に侵入され、気が付いたら自分の世界が
荒らされ傷付いていたと感じる。だから、いつも対処が後手に
回ってしまう。「荒く強いエネルギー」にいつも翻弄される
ということを繰り返してしまうのです。

「私という人間は◎◎である」という、現状の自分自身を知る
ことは、嫌な感情を消し去る技術を身に付ける意味では、
とても重要です。

この自分自身への理解や信念を、脳機能や心理系の世界では、
ブリーフシステムとも呼びます。つまり、自分に対する
内面的な自己評価や価値感です。これが自分に対する信念
に繋がっています。

そして、東洋の伝承哲学の世界観にもあるように、
VATA,PITTA,KAPAのような、ものごとの現象を動かす
量子的エネルギーの働きが、人間にもそれぞれ優位性を伴いながら、
生まれた時にこれらが天性の特性として配備され、
先のブリーフシステムと共に、その人の「人間性」として、
特徴付けられていきます。

脳機能系の書籍によると、例えば、あなたが身動き取れない
状況にあなた自身を縛り付けているのは、前頭前野という、
人の脳の一番新しく出来上がった領域で生まれています。

私達の記憶は、端的にいえば「過去の失敗体験」の集まりです。
成功体験よりも、失敗体験のほうが記憶に残り易いのです。
何故なら、脳は私達を「生命の危険から守らなければ」と、
基本的に常に配慮するように出来ているため、
「このパターンは危険!」と感じるものを優先して、
記憶に残すようにします。

その際に、比較的新しい脳の領域でもある、大脳辺縁系の
海馬や扁桃体に、情報をせっせと放り込みます。
扁桃体は、嫌な記憶を増幅させる機能を持ちます。

嫌な感情が過剰に増幅されると、信念体系に結び付いていきます。
こうした嫌な感情が信念に介入していくと、登校拒否や
出社拒否等に代表される現象が生じてきます。

例えば、イジメがある場合、こうしたことをする人間は、
本質的に執拗な性格を持っていることが多いので、
いくら本人がその場を対処しようと努力しても、
どこまでも追いかけて陰湿に仕掛けてきます。

一番簡単なのは、転校や、転職等、その場から根本的に
本人がそこにいなくても良いように場を変えてあげることです。

しかし基本的に、資本主義、経済重点社会は、
一部分の誰かの為に働かせる「奴隷制度システム」なので、
お金を得ることを主目的に社会参加している限り、
こうした低次元の欲望のみで生きる人間の、ある意味、
”犠牲”になっていくことは避けられません。

このような社会システムで生き残るということは、
どこかで法律ギリギリのグレーゾンや、人を蹴落とすことを
平気で出来るような図太さを持つ人間でないと、
”勝ち残れない”ようになっているからです。

そういう意味で、先程の3つの「モノサシ」。
「他人との比較」、「カネを稼ぐ人間が優れている」、
「出世が出来る人間が能力が高い」というのは、
【本来の自分らしさ】という土台から築き上げる、
【圧倒的な幸せで生きる本当の自分】を実現する上では、
非常に弊害の大きいモノサシになっていることは否定出来ません。

このようなモノサシに意味を感じている限り、
苦悩や不安、負のスパイラルの連鎖からは
抜け出せません。

この「モノサシ」こそが「煩悩」の正体でもあるからです。

さて、毎日を生きていると実に沢山の情報と向き合うことに
なっていますが、これらのモノサシを持てば持つほど、
情報は錯乱し、あなたは本来の自分を見失い、
混乱をしていきます。

これらの情報を整理整頓し、バラバラな情報をひとまとまりに
統合する能力を、脳機能の世界ではゲシュタルトと表現される
ことがあります。これらは前頭前野や大脳辺縁系の領域で
行なわれているとされていますが、「嫌な感情」を鎮める
もう一つの方法は、この前頭前野領域への介入を
していくことです。

つまり、嫌な感情を鎮めるには、
バラバラな情報を「ひとつのくくり」として
統合する能力である「ゲシュタルトパワー」を、
それまでの次元より、もう一つ上の次元で作り、
ものごとの捉え方、価値感を「根底から変えてしまう」
ということです。

先程の大脳辺縁系の扁桃体は、嫌な記憶を増幅させる機能が
あるとお伝えしましたが、扁桃体は「ある情報」について、
それが生命に危険を及ぼすものでは無い、と判断すると、
その「ある情報」については、反応が鈍感になります。
つまり、それまでの過剰な反応をしなくなっていきます。
これが「慣れ」という感覚世界です。

先程のゲシュタルトパワーを向上させるには、
それ相当の訓練をする必要がありますが、
簡易的に、その能力を高める方法があります。

それはブレインマッピングです。

紙面上に、「現状把握」というテーマで、
今、あなたの周りで起こっている、実際に発生する事実や事象を
端的な言葉や文字、記号、絵等で紙面全体に一つの「マップ」
のように記述していくのです。

一つ一つの出来事は空想や、妄想の世界を書くのではなく、
実際に起こった事実だけを客観的に抽出します。

普通のノートに書くような文章形式にしてしまうと、
それは単なる「メモ」になってしまい、脳機能としては、
左脳優勢になるため、バランスの良い脳機能に繋がりません。
あくまでも、今現在のあなたの現状を一瞬で把握出来るような
世界を紙面上で創り上げる必要があります。
これが「マッピング」です。

具体的な方法はこのサイト内いくつかのコンテンツに、
何度も紹介してありますので、そちらを参考にしてみて頂ければ
全体の進め方が理解出来るはずです。

記述するコツは、なるべく意味が濃縮された「端的表現言葉」
で書くようにするということです。こうでなければならないと
いう決まりはありませんので、あなたが分かる表現なら、
何であっても構いません。

こうしたマッピング作業をし、そのマップ全体を眺めていく内に、
情報の一つ一つが次第に新しい世界観として統合されていきます。

そうすると、新しい気付きがそこに生まれます。
これがゲシュタルト能力が一つ上の次元に上昇したということです。

そうすると、ものごとを捉える視点も一つ上の次元から
眺めることが上手になっていきます。これが抽象度が
上昇したという世界です。つまり一つ上の次元から
下界で起こっている現象を大きな視野、視点で客観的に捉える
「俯瞰(ふかん)」という状態です。

こういう作業、セルフワークを常日頃から行うと、
IQが高まっていきます。つまり、ものごとの先々を予測し、
見通す力が向上するということです。そして、本質を見抜く
能力も高まります。

自分自身の物事を観る視点の次元を上昇させると、
嫌な感情を消去させる方法が、感覚的に理解出来ます。

例えば、ネガティブな感情を消す方法の一つに、
過去のポジティブな感情と融合させてしまう技術があります。

マッピングを行い、過去のポジティブ系の出来事と、
その時の感情の一覧を作成し、一番しっくりくる
ポジティブ感情と、今、一番消去したいネガティブ感情を、
ポジティブな世界に融合させてしまうのです。

例えば、あるイジメ体験が目の前に在ったとします。
それを仕掛けている人間に怒りを向け続けるだけでは、
問題の根本解決には繋がりません。

そのイジメを仕掛ける人間に対し、恐れや怒りを向ける
のではなく、もう一つ高い次元から捉え、「このような
ことを平気で行うとは、なんて気の毒な精神を持った
人間なのだろう…。可哀想に。きっといびつな精神構造に
なってしまった辛い環境下で育ったのだろう。気の毒に。」
と哀れんであげれば良い。

こうすることで、相手より一つ上の次元視点で
相手との関係(これを「縁起」といいます)を、
あなたの内部で新たに構築させることが可能になります。

「そして、このような関係を持つことで、
悪い「縁起」を人に仕掛けるということは、その人間は
結局は過去の辛い経験の苦しさの呪縛から、
いつまでたっても逃げられない、そればかりか、
さらにそういう行為を通じて、自分をがんじがらめに
縛り上げているのだ…ということを学ぶことが出来た。」

「私は、この体験で過去の◎◎のゴールを達成した時のように、
一つの大きな気付きを得ることが出来た。有り難いことだな…。」

というように、ポジティブ感覚に結び付けをしてしまう。

こういう訓練を繰り返していく内に、扁桃核はその体験を
やがて、「取り急ぎ…生命には危険が無い出来事」と
判断をするようになる。つまり、そういう煩悩の次元が
低く、言動が自分の欲望視点だけに置いている人間の
行動には、余り影響されないようになっていく。

例えば、幼稚園児から「お前なんかば〜か」と言われても、
あなたは別に怒りはしないだろうし、むしろカワイイな…
と感じていることが多いのではないかと思う。

それは、こちらが相手よりも高い次元でものごとを
見られているからです。感情の処理とは基本的には
そういうことです。

さらに、こうした人間の言動を放置している、その組織、
管理者、会社に対して現状の問題をいつまでも放置している
低い次元の認識に対し、逃げずに対処するように、
信頼の置ける人や仲間と共に、働き掛けを行えば良いのです。

もし、仮にそれでも周囲が動かないような低次元の人間の集まり
ならば、そんな組織や会社は見切りをこちらから付け、
もっとあなたに相応しい場を見つければ良いのです。
そのような「奴隷集団」のような所にいても、
あなたの本当の幸せは恐らく見い出せません。

その為には、まずはあなた自身が「自分の生き方」を
きちんと確立しておかなければなりません。

ここをないがしろにして、ただ目の前のあなたにとって
不都合な現象だけを避け続けていても、どんどんとあなたの
人生ポジションは低くなっていくだけですから…。

あなたの本当の目的、目標を先ずはしっかりと固める
必要が先決なのです。

順番を決して間違えてはいけません。

「自分の本質を知らない」と、この目的や目標を
「他人が仕掛ける価値感」に知らず知らずに置き換えて
セッティングしてしまいます。

「もっとカネを…」「もっと◎◎を…」となる訳です。

あなた自分自身の本当の価値感からじっくり考えた、
一番優先すべき目標や夢は、他人との比較世界から生まれた
ものなどでは有りませんし、金や地位名誉等の「煩悩」優先の
世界から産出させられたものなどでも無いはずです。

どんなに他人から「なんでそんなものが良いの?」と
蔑まされたも揶揄されても、あなたが一番それが価値感を
感じる、幸せを心から実感出来る、精神が癒やされる世界で
有りさえするなら、それが一番あなたにとって
「圧倒的な幸せな世界」であるはずなのですから、
堂々とそれを実現する方向に向かって生きていけば良いのです。

他人がどうのこうのなんていうのは関係ないのです。

一つ上の次元でものごとを眺めるようにする。
これが今の「嫌な感情」を消去する、最も有効な方法である
ということを、是非、これからも学んでいって下さい。

・Blog TOP / ・セルフメソッド /