「パラレルキャリア」で生きる時代 –

最近、「なるほどナア…」と感じる内容の書籍との
出会いがあった。

その本は、あの故ピータードラッガー氏が残した、
多くの英知と考えをまとめた内容で、タイトルは
「Living in More Than One World」。

直訳すれば、「2つ以上の世界で生きていこう」。
著者は、ブルース ローゼンシュタイン氏。
薄いけれども、とてもコンパクトに内容がまとめ
られている良書です。

残念ながら、日本では翻訳書はまだ出ていません。



上智大学の教授であり、国際会議A級同時通訳者の
井上久美氏と、神田昌典さんが紹介をしている。

経営、経済の世界を通し、人としてどのように
生きるかを、常に世界的な視点でひも解いてきた
偉人「ピータードラッガー」の哲学エッセンスが
凝縮された内容なので、その一部をここでシェア
しようと思います。

「これからの時代をどのように生きていったら良いか」
これが、この本の主旨です。

特に気になったのは次の部分。かいつまんで、
全体をコンパクトにまとめ表現してみると、

「少し前までの時代は、一つの世界を極めていれば、
そこを軸として生きていく事が出来たが、これから
の時代はそうはいかなくなる。」

そして【コアコンピタンス】。
つまり、「これなら絶対に他の人に見劣りしない!」
「充分に人や社会に役立てられる」というような
自分の「強み」を改めて確実なものにしておくこと。

今までは大企業等、会社の内部で取り上げられ、
社員教育や企業理念を元にその存在価値を高める
ために必要とされてきたものだったが、これからは
個人でもこうした生き方が必要とされる時代がやって
来るというもの。

自分の欲望を満たす生き方だけで日々を生きていたり、
仕事でも、一つのキャリアだけで生きていると、
例えばその事業やビジネスのライフサイクルが
終わったら、先ず先にリストラされるのは
「役立たず」の烙印を押される人間からであるし、
そもそもが、その企業やビジネスそのものがそこで終わりになる。

以前と違い、物事への価値観、多様化が進み、
短い時間、期間でどんどん変化しているため、
これからの時代は、一つのキャリアだけでずっと
生きていくのはすごく難しくなる。

昔は地球の裏側の国の情報、状況を手に入れる
為には、その国に行くか、英語に精通し
CNN等、海外メディアのニュースで情報を入手
するしか無かったのが、今やほとんどがネット
で瞬時に手に入るようになった。

翻訳ソフトを使えば、外国語など知らなくても
おおよその意味は把握出来る。

情報の発信も、今や大企業と同じように
個人でも世の中に低コストで可能になった。



だから時代の価値変化がどんどんと短い期間で
起こる。数ヶ月前に通用したことや、仕組み、
技術があっというまに陳腐化してしまう。



一つのことをじっくり取り組み、そのエキスパ
ートとして成り立って来た、これまでのモデル
が通用しにくくなりつつある。

そのためにも「パラレルキャリア」で生きる
必要が出て来たんです。

2つの世界を同時に持ち、その2つを成長進化
させていくことが「とても重要となる」ということ。

そしてこれは、同時に、勉強や学ぶこと、人が
嫌いな人間にとっては、とても住みにくい
世の中になるということでもあります。

孤立した人間はますます孤立化し、
無知な人間は世の中の犠牲になり易くなる。
弱者はますます窮地に追い込まれていく。

だからこそ、弱者、無知なものほど、
勉強しなければならないと感じます。
強者と弱者との「二局化」が進むからです。

今までの居る場所、活動してきたところ以外に、
人が集う場、そんな環境を自らが生み出す
必要がある。又はそこに出向き、自らも参加する。

これは、ビジネス、資格や新しい技術の環境を取得し、
それを経済力キャリアにつなげるということだけではなく、
仕事とは別に、涵養(水が少しずつ染み入るように、
養い育てる感覚)の感性で、ライフワークや、
ボランティア等、人や社会に役立つ活動をする。

特に、目先の利害よりも、「協働」という価値観で
人や世の中に役立つ「一つの場」を、みんなで共に
仕上げていくような動きが、これからの時代は
どんどん加速されるようです。

こうした直接の利害関係を離れた場では、
純粋に人としての能力や技能を表現し易くなるので、
「自分の強みに磨きをかける」、今までの仕事場
とは違う、もう一つ「脱皮した自分に成長する」
という目的で参加すると、【コアコンピタンス】
(自分の強み、生きるための軸)が強化される。

そして、自分を高め、成長させるその出来事の中で、
気付いた事、学んだ事を人に伝え、シェアし、教える
ことで、ますます自分自身の理解度が深まる。

「インプット」とは「学ぶ」こと。

「教える」「伝える」ということは、
「アウトプット」です。

アウトプットとは”表現する事”。

つまり、表現出来るのは、自分の理解している世界
の範疇しか表現する事は出来ない。

相手に分り易く、理解を深めさせるには、
自分もより深く学ばなければならないということです。

だから、「教える」ということは「学ぶ」ということ
とイコールといえます。



「私なんてとても人に教えられるものなど無いです」

このように言う人も少なくないですが、決して、
人に教えるのに、教育者や指導者の立場が必要か、
ということなど関係無くて、「体験」を「シェア」
するということだけでも、充分に価値があります。

これなら誰だってできます。
どんな立場でも、どんな仕事環境でも、どんな生活
をしていようと、生きているならその日々の「体験」
が、同じような環境に身を置く人への、貴重な情報源、
その情報そのものが参考になる。

これからの時代は、受け身で生きている人は
ますます「負のスパイラル」から抜け出せなくなる。

そんな厳しい時代にいよいよ突入したということです。

いつまでも自分の未来を他人任せに生きる、
投げやり的に、その日しのぎで先送り人生を
繰り返すのではなく、「自分から未来を切り開く」
そんな能動的な生き方が求められていきます。

ひな鳥やヒヨコのように、口をただ開けて、
「お腹空いたよ〜、エサをちょうだい!」と
ただただ安心出来る巣から何も自らは動かず、
「ピヨピヨ」言ってるだけでは、どんどんと
従来より環境は凄い速度で悪化していくと、
こういう未来を的確に読む専門家は警告を鳴らして
いるのです。

ドラッガーの言っている事は、数十年前に書かれた
内容のほとんどが、今、現実になって現れて来てます
ので、今回の内容はリアルで厳しい警告として
受け止める必要があると感じます。



こうしたい、ああしたいと言いながら、
自分ではほとんど何もしないで生きて来ているなら、
今の状態から脱出出来る可能性はほとんどないです。

3年前を振り返ってみて、今も同じなら、
これからの3年後はもっと酷くなるということ。

今のその事態を超えるには「必要な事」なのに、
「やりかたが分らない」とか、「苦手意識がある」
ということで、何も取り組もうとしないなら、
「今出来ることは何か」、「どこから始めていける
のだろうか」と意識をいつまでも向けるつもりが
無いのだとしたら…。

そんな赤ん坊のような他人依存の強い生き方の、
その先には、残念ながら、とても辛い現実しか
無いと覚悟をしておいたほうがいい。



「願うだけ」では実現はしない。

どうすれば良いのかというなら、書店に行って
自分に合う書籍を買い実践する。PCで検索し、
情報を研究する。セミナーで学ぶ…。

とにかく、今のポジションからスタート出来る
始めの一歩を、リアルに、具体的に計画し、
自分自ら行動として実践してみること。

行動し実践し、検証する。

そして「自分の強み」を発見する。
失敗や挫折の中から学んだ「体験知」と、
「自分の強み」を融合させれば、それだけでも
充分に社会で通用するものが出来上がる。

それを人が集まる所で「パラレルキャリア」として、
一つ一つじっくりじっくりと積み上げていく。



もしあなたが、今のポジションで壁を超えられない
でいるのなら、ドラッガーの本をじっくり身体に
染み渡らせるように読んで見るといいと思います。

もういつまでも「受け身で生きる人生」から卒業し、
脱皮しなければならなくなった時代に入ったと感じます。





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