「現状突破」を生み出す力の養い方
日々生きていると、本当にいろいろな出来事が次から次へとやって来る。そこには嬉しいこともあるが、大半は身体や心にストレスを感じることのほうが多い。
そんな現実と24時間、フルに向き合うなんて、人間をやっている以上、メンタルエネルギーが持たなくなる。
少しだけあなたより人生の門松を多く”くぐって来た”体験からいうと、こんな時は自分なりの「現状突破公式」をいくつか持っておくと、圧倒的に人生を楽に楽しく、しかも、的確にさまざまな「壁」を乗り越えることが出来る。
毎日の日々起こってくる出来事は、実はこうした難問、案件、フラストレーション、今すぐに解決したい出来事に対するヒント、場を好転させる糸口等々…に対して、それを一気に改善していくための情報の宝庫でもある。
こうした考え方は、余程、長年修行を積み、座禅を組み、精神を高めていかないと出来ないじゃないのか?と思われるかもしれないけれど、そんなことない。その気になれば、誰だって出来る。
勿論、どんなことでも、普通の人がアット驚く事の裏側には、必ずそれが出来るコツや、いくつかのポイントや技術が必要になるけれど…。プロのスポーツ選手やオリンピック選手になる訳ではないので、小さい子のお絵かきのように、ある程度の「慣れ」さえ自分の中に生まれれば、誰だって出来るようになる。
「現状突破公式」創出術なんて大層なネーミングをタイトル付けしたけれど、実は、日々起こる出来事、現実的に感じたこと等、「現状把握」をテーマに、A4程度のノートや日記に、出来事整理帳として整理整頓する。文字が書ける人ならどうってことない作業レベルといえる。こうすることで、いま目の前に立ちふさがる案件、問題を打ち破るコアな課題や事態の好転ポイントを読み取れるようになる。
この「読み取れるようになる」というところが重要。つまり、ものごとが起こる事態をただ漠然と眺めていたり、その負のエネルギーに影響されっぱなしということではなくて、その混乱しているあなたを「もう一人の冷静なあなた」が、「全体を俯瞰する」という場に立つ感覚、能力を養う意味がそこにある。
「現状の問題、案件を突破したい…」、しかもそれらを根本次元レベルで「解決に導く公式を洞察する」という大前提を意識してのセルフワークなので、ただ日記を普通に書けばいいというものじゃなく、それなりに幾つかのコツがある。
紙面の都合があるので、余り詳細にはガイダンスするのは難しいけれど、雰囲気はざっくり掴めるはず。
1),先ずは次のキー・ワードについて、1週間以内の日常の中で発生したこと、遭遇したこと、それぞれに簡潔明瞭に、現実に起こった出来事、感じたことだけをありったけ書き出す。妄想や想像、希望的観測等は書かない。事実のみに限定すること。
健康、生活経済力、人間関係、時間の使い方、家庭、仕事、習慣、自己成長への教育/学習、生活環境、社会参加、ゴール
7日間も経過すれば、一つのキー・ワードについて10個前後はあるはずなので、100個前後の事実キーワード情報が抽出されることになる。
2)今、一番最優先で解決したい出来事を確認後、これらの出来事の中から、関連する事実現象だけをカラーペンでチェックする。
3)その中から、重要だと思われる抽出情報を幾つか選び、重要度の高い順に1〜5等の番号を振る。
記述作業はここまでだ…。さて、ここからが、大切なセルフワークになるのだけれど、こうした現実把握マッピングシート全体を俯瞰してみると、特に重要マークを付けたキーワード群に絡んでいる他のキーワードとの関係性、行動パターンに着目してみて欲しい。
そこには、ある種の繰り返される行動や思考パターンが潜んでいるはずだ。
例えば、いつも金欠病になっている人は、基本的にどんなに収入が増えても、何故かいつもカツカツの状態になっていることが多い。…ということは、金額の収入の問題よりも、そういうカツカツの状態に無意識にさせてしまう生活パターンや、習慣、金銭感覚に根本的な課題が潜んでいるということ。
そのパターンを先ずは洞察する必要がある。
パターン、クセが客観的に判れば、今度は、それを解決するために必要な手段は何かを、先の10個のキーワード視点から順番にまた書き出し、問題解決マッピングシートを作成してみる。
要は…「現状把握」&「問題解決デザイン」を交互に繰り返すだけ…。とてもシンプルだ。
「書く」という作業は、実はとても大切な作業だ。
あなたの頭の中にある、”分かっているツ・モ・リ”の、何等根拠もない価値感を、「見える化」させてくれる。
人間は「見える」ことに対しては、感情が動き出す特性がある。今まで漠然としていた感覚の世界が、はっきりした形で目の前に現れることで、「えええ…?!こんなふうになっていたんだ…」と感情が動き出す。
人の脳は、例えば「良いことをやってみよう」という理論(理性)だけでは、行動には結びつかないようになっている。そこに爬虫類脳といわれている欲望を司る領域脳へのスイッチが伴うことで、「よし!行動してみよう」という感情が生まれる。
「欲望脳」という、ある意味強烈な作用を持つ領域を使うことで、行動へのエネルギーは倍加する。理性と本能の併用化。これが必要。
しかし、欲望だけでも人間は行動出来てしまうので、行動が暴走しないように、「欲望行動」&「自分なりの理性」をいつも「見える化」させておくことで、自分の人生の質を高める方向に舵取りが可能になるという訳。
人間は自分が都合の良いように生きようとするし、都合の悪いことはすぐに忘れる動物。特に私のような平均的な能力の凡人には、高尚な精神を常に保ち続けておくなんて芸当は出来ないので、なるべく、時間を見ては自分の行動や思考、日常の出来事を客観的に捉えるようにするセルフワークへの習慣は、人生の質を高める上での、非常に貴重な時間となっている。
こうすることを幾度と無く繰り返していくと、次第に、毎日の出来事の中に、そのまま放置しておけば、恐らく問題や案件は解決に向かわなかっただろうという流れを、事前にキャッチすることが上手になる。
つまり「現状突破」を洞察する技術が高まり、自分なりの壁を乗り越える生き方公式を効果的に生み出せるようになっていく。
そして、「書かない」ことは人生を失っていることと同じだと感じている。
「残念な人」の自己イメージにも書いたけれど、でも多くの人はやらない…。それが本当に…「残念」。